藤井桃子
美しい自然に囲まれた山里の京都花背地域で生まれ育ち、幼い頃から日本の風習や自然との共存が身近にあった作家、藤井桃子。作品に使用する稲藁“あさひもち”は、京都の岩倉地域に根付く希少な品種で、島根県の出雲大社の大注連縄にも使わるもの。この希少品種をご縁のあった岩倉の年配者の方から譲り受け、稲作から手掛ける。刈り入れ後の天日干しをへて、手作業でハカマを取り除き、自ら丁寧に選別。鑑賞者が幸せを感じるきっかけとなるようにと願い制作された作品は、神聖さと、タイトルにも表れるように温かさが伝わってくる。