うみのハンモックは東京ミッドタウンで毎年秋に行われるデザインイベント「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022」のテーマ「環るデザイン」に合わせて製作したインスタレーションである。そこから始まった設置と解体を繰り返すハンモックのリユース活動は大阪のさくら広場、日比谷公園、淡路島、大阪・関西万博へと3年間で5カ所を環った。
ハンモックの素材は、廃棄された漁網をリサイクルしたナイロン製の糸から造られ、それらの糸(原糸)を300本撚ることで本来の漁網と同等の強度を持つハンモックへとアップサイクルした。海洋汚染や生態系への影響が問題となっている海洋ゴミ問題を、遊びを通して伝えたいと考えている。今後も様々な場所への展開が予定されており、遊具会社であるジャクエツと都市の屋外空間を豊かにする「遊具ファニチャー」として製品化も検討している。
今回の敷地である"うめきたの丘"では心地よい風を感じながら広場の賑わいを見渡すことができる。この作品は設置される場所によって体験が変わり、その場の環境を活かせることが特徴である。眺望の良い丘の上でハンモックに揺られながら、周辺の景色、そして私たちを取り巻く環境に意識を向けてほしい。
共催:一般社団法人 うめきたMMO
設計協力・製作:株式会社 ジャクエツ