松井照太
1994年京都府生まれ。2018年京都市立芸術大学彫刻専攻卒業。石の自然美、重さに興味を持ち、作品の中に無加工の石をそのまま取り入れる立体作品を中心に制作。室内での石の鑑賞を広めようと壁掛けや置き型作品を展開し、写真作品にも取り組んでいる。作品中の石がどう映るかを意識し、伝統や形式のある水石に対して現代のマテリアル(樹脂やガラス等の製品)を使い新たな角度から石を愛でる。
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それは、“石”という名のアート。
石への深い愛情が、松井照太をアーティストへと導いたのかもしれない。京都の鴨川近くで育ち、幼い頃から河原で気に入った石を拾い集めるのが習慣だった。美大で彫刻を学ぶ中で、自然と石を扱うようになる。床の間に掛け軸や盆栽と共に飾られる水石の文化を好み、自身でも飾っていた。石を観賞する静寂の時間に精神的な安らぎを感じ、その魅力を多くの人に伝えたいという想いが、松井の創作の原動力となっている。彼は石を組み合わせたオブジェというより、石そのものの魅力を最大限に引き出すことに注力する。足元に転がる石をあえて人の目線まで持ち上げ、宙に浮かせたり、壁にかけたりすることで、鑑賞者は意識せずとも一つひとつの石に目を留める。重力を感じさせないその佇まいは、「なぜだろう?」という興味を喚起する。「実際は重い石が、不思議な力を宿しているような雰囲気を出したい」と松井は語る。
ラグジュアリー空間に浮かぶ石。
鮮やかな色彩を用いるのは、石に新たな要素を加えるためだ。自然の造形に人工的な要素を組み合わせることで、両者の関係性を際立たせる。何万年、何億年も存在しうる石に対し、樹脂などの人工物は紫外線などによりいずれ劣化する。その対比も表現の意図の一つ。「W大阪」での展示テーマを問われ、しばし熟考し「価値の石」と答える松井。「石はネガティブな意味合いで使われることもあるが、“原石を磨く”のようにポジティブな意味も持つ。作品を通してそれを表現したい」。素材にはアクリルを主に用い、鮮やかな色を加える手法が、「W大阪」のエントランスに合うと考えた。「パッと見の印象は共通する部分があるが、中身が石である点がおもしろい」。ラグジュアリーな空間の中に自然な石があるギャップ、それによって石の魅力が一層引き立つと松井は考える。石は産地によって硬さ、色、質感など多様であり、そこにおもしろさがある。地元で見慣れた石に改めて目を向けるきっかけになればと願っている。
W大阪で特別なアート体験。
展示の舞台となるのは、伝統的なラグジュアリーに捉われず、斬新さとエネルギーを取り入れる「W大阪」だ。その独創的なデザインは安藤忠雄が監修を務め、シックな外観の中には様々なストーリーやカラフルで興味深い仕掛けが詰まっている。日本で唯一の“Wブランド”ホテルであり、「Whenever/Whatever®」の理念に基づき、顧客のあらゆる要望に応えるべく、ラグジュアリーなサービスの提供に努めている。アーティストとのコラボレーションも積極的に行っており、“Osaka Art & Design”には昨年に引き続き参加。総支配人のピーター・ルーカスは、「ユニークでアートに満ちたこの施設の魅力をさらに高めるため、常にアーティストとのコラボレーションを求めている」と語る。大阪・関西万博が開催されるこの特別な年に、今回のインスタレーションを通して大阪の魅力を体験してほしいと、期待を寄せている。
松井照太
1994年京都府生まれ。2018年京都市立芸術大学彫刻専攻卒業。石の自然美、重さに興味を持ち、作品の中に無加工の石をそのまま取り入れる立体作品を中心に制作。室内での石の鑑賞を広めようと壁掛けや置き型作品を展開し、写真作品にも取り組んでいる。作品中の石がどう映るかを意識し、伝統や形式のある水石に対して現代のマテリアル(樹脂やガラス等の製品)を使い新たな角度から石を愛でる。
W大阪
2021年日本初上陸、国内唯一のWホテル「W大阪」。心斎橋の御堂筋沿いに位置し、観光、グルメ、ショッピング、エンタメ、ビジネスにも好アクセス。安藤忠雄がデザイン監修した黒い外観と、色鮮やかな内観の対比が遊び心ある空間を生み出す。「目的地となるホテル」として今までにない新しいラグジュアリー体験を提供する。
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〒542-0081
大阪市中央区南船場4丁目1-3