熊谷卓哉
1987年京都府生まれ。2012年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。日々目にするモノや場、行為などを公/私それぞれの視点で収集し、「彫刻」として並べ置く。作品制作や展示に加え、企画・キュレーション等を通じて「彫刻」と呼びうる条件や公私の併存を探求している。近年は主に3DCGや3Dプリントを用いて、鑑賞者との関係性や素材と構想に注目し、彫刻の概念的拡張とその可能性の探究を行っている。
Programs
日本のカプセルトイ文化をアートに。
美術系の高校と美大で彫刻を学び、モデリングを得意とする熊谷卓哉。作家として活動する傍ら、空間デザインのディレクションなどにも携わり、作品を制作する際は、空間全体をイメージしながら、その一部としての作品を手掛けるという。グループでの活動も精力的に行っていたが、関西に戻ることとなり、それが転機となった。何のツテもなく、アトリエを確保することが困難だったため、大きな空間を必要としない3DCGという方法に活路を見出し、親和性の高い3Dプリンターを活用するようになる。そして誕生したのが、代表作「Play Sculpture(ガチャガチャマシン)」シリーズである。きっかけは、アーティストグッズの制作や販売を行うショップ運営への誘いだった。ショップにある商品を単に模倣するのではなく、機能まで再現した作品がおもしろいと考え、ガチャガチャマシンが着想源となった。外装、機能、そして中身に至るまですべてを3Dプリンターで完結させてみたい、というのも制作の重要なテーマの一つだったという。
体験型アートで世界のゲストを笑顔に。
外国人の宿泊者が多数を占める「W大阪」には「Play Sculpture(ガチャガチャマシン)」シリーズがぴったりだと考えた。カプセルトイは日本独自の文化であり、中から出てくるフィギュアのカルチャーも世界的に人気なので、外国人に好まれると感じた。また、ラグジュアリーでありながら遊び心あふれる「W大阪」の館内を実際に訪れ、その雰囲気を感じ取る中で、展示のイメージも明確になっていった。この作品はコミュニケーションを生む体験型の彫刻であるため、多くの人が滞在するホテルという場所で展示することで、作品を通じて会話が生まれ、様々な化学反応が起こり、展示空間そのものがより魅力的に発展していくのではないかと考えた。「あえてハレーションを起こすような色使いも試したい」とイメージを膨らませる熊谷。眺めるだけでなく、触って、遊んで、「彫刻から彫刻が出てくる」という単純なおもしろさも楽しんでほしいと語る。
W大阪で特別なアート体験。
展示の舞台となるのは、伝統的なラグジュアリーに捉われず、斬新さとエネルギーを取り入れる「W大阪」だ。その独創的なデザインは安藤忠雄が監修を務め、シックな外観の中には様々なストーリーやカラフルで興味深い仕掛けが詰まっている。日本で唯一の“Wブランド”ホテルであり、「Whenever/Whatever®」の理念に基づき、顧客のあらゆる要望に応えるべく、ラグジュアリーなサービスの提供に努めている。アーティストとのコラボレーションも積極的に行っており、“Osaka Art & Design”には昨年に引き続き参加。総支配人のピーター・ルーカスは、「ユニークでアートに満ちたこの施設の魅力をさらに高めるため、常にアーティストとのコラボレーションを求めている」と語る。大阪・関西万博が開催されるこの特別な年に、今回のインスタレーションを通して大阪の魅力を体験してほしいと、期待を寄せている。
熊谷卓哉
1987年京都府生まれ。2012年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。日々目にするモノや場、行為などを公/私それぞれの視点で収集し、「彫刻」として並べ置く。作品制作や展示に加え、企画・キュレーション等を通じて「彫刻」と呼びうる条件や公私の併存を探求している。近年は主に3DCGや3Dプリントを用いて、鑑賞者との関係性や素材と構想に注目し、彫刻の概念的拡張とその可能性の探究を行っている。
W大阪
2021年日本初上陸、国内唯一のWホテル「W大阪」。心斎橋の御堂筋沿いに位置し、観光、グルメ、ショッピング、エンタメ、ビジネスにも好アクセス。安藤忠雄がデザイン監修した黒い外観と、色鮮やかな内観の対比が遊び心ある空間を生み出す。「目的地となるホテル」として今までにない新しいラグジュアリー体験を提供する。
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〒542-00081
大阪市中央区南船場4丁目1-3